2010年2月アーカイブ

小学校高学年の頃、担任の女性教師が入院のため長く休職していましたが、ある秋の日に亡くなったと聞かされました。一年前に転校して来たばかりで心細かった私に優しく接してくれた方でした。
2学期の途中から急遽私たちのクラスの担任になったのは、新人の女性教師でした。今思えばその教師も精一杯の毎日だったのでしょうけれど、幼かった私たちはまだ前任の教師の死を受け入れることが出来ていませんでした。思い通りにならない私たち生徒に業を煮やした新人教師は、当たり散らすように亡くなった教師が作って残した教室の掃除当番表を破いて捨てました。皆の前だったのに。
いくつか他の要素も積み重なり、私は授業をボイコットするようになりました。理路整然と新人教師にしてはいけないことをしたのでは?と言えればよかったのですが、駄々をこねる子供同然に困らせるようなことばかりをしていました。
小太りの男性教師から職員室に呼ばれ、私は雷のように怒られると思っていました。しかし、その男性教師はこう言ったのです。「どうしたんだ?」。
男性教師は私の気持ちも察していたのでしょうけれど、まずは私への信頼を提示してくれました。「おまえが教室を抜け出したり、授業の邪魔をするなんて、どんな想いがあるのか話してみろ」というその問いかけに、私は救われました。結局、破かれた掃除当番表や他の話も一切しませんでしたが、男性教師との「もうやらない」という約束は守りました。信頼に応えようと思ったのです。
アメリカから見たトヨタ自動車は、今や信頼が揺らいでいます。2月24日に米ワシントンで米議会下院の監視・政府改革委員会により開かれる公聴会へ豊田章男社長の出席が確定する以前、豊田社長が「現地法人トップが対応する」と会見した17日時点では、英紙ファイナンシャル・タイムズは「アメリカでは怒りが沸き起こった」と一面で報じたほど批判的でした。安全のために誠心誠意尽くしてきたと、信頼を取り戻すには時間がかかるかも知れません。
「100年で築いた信頼も失うときは1秒だよ」とは高校時代の担任教師が教えてくれた言葉でしたが(若い頃は叱られることを繰り返してしまいます)、その場しのぎのごまかしでは未来の成功を手にすることはできませんので、非があるならそれを認めて、前進して欲しいですね。
トヨタに限らず、社会においては信頼が大切です。マニフェストを遵守できなければ政治も信頼を失いますし、お客様との約束を守らなければ企業は仕事を失くします。信頼を1秒で失うことになる前に、今一度衿を正さなくては、と思います。もう学生ではありませんから、「どうしたんだ?」とは言ってもらえませんよね。

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話を戻してしまいますが、冒頭の新人教師に私は口だけの謝罪しかしませんでした。最近で言えば冬季オリンピック日本代表選手の「反省してま〜す」のように。しかし、今となってはちゃんと事情を説明して、「授業を邪魔してしまいすみませんでした」と謝りたい気持ちです。きっと、お互い年を重ねて理解し合えると思うのです。
さて、年を重ねると言えば、ザ・ビートルズではポール・マッカートニーが書いた「ホエン・アイム・シックスティー・フォー(When I'm Sixty-Four)」という曲があります。ポールが10代の頃に書いた曲にミドル部分を書き足して、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で復活させました。恋人に「64歳になっても僕を必要としてくれるかい?」と歌う内容ですが、2006年、ちょうどポールが64才になる直前に当時の再婚相手との離婚が発表され皮肉なエピソードとなってしまいました。
しかし、ポールの子供たちが集まってこの曲を録音し、誕生日プレゼントにしたそうで、ポールにとっては大切な一曲になったのではないでしょうか。

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<開発室:クマ>

 トヨタ自動車が2月9日午後に、4車種計22万台強のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ました。トヨタと言えば発生した問題に対して「なぜ?」を5回繰り返し、原因の「真因」を追求する「業務改善」への取り組みが有名です。この5回という回数には特定の意味があるわけではなく、1つの問題に対して、1〜2回考えただけでそれが絶対的な答えだと決めつけずに、従業員一人ひとりが何度も何度も繰り返し自問自答しながら徹底的に考え抜く大切さと「自分で考える力」を身につける姿勢を象徴しているのです。これらの考え方が実績を伴い、トヨタを長年尊敬される企業たらしめていたと言えるでしょう。
 では、なぜそのトヨタがこのような状況に陥ってしまったのでしょう。景気悪化によるコスト削減策が影響を及ぼしたことも否めませんが、私はそれよりも従業員一人ひとりのモチベーションの緩みが大きな要因だったのではないかと考えます。「今まではこれで平気だった」とか、「これぐらいは見逃してもかまわない問題だ」という小さな緩みが大きな綻びを導いてしまうことは身の回りにも見ることができる悪しき習慣です。
 経営コンサルタントや作家の肩書きを持つ中島孝志さんの言葉に「仕事には今までと同じ問題もなければ、今までと同じ正解もない。正解は創造するもの。」とあるように、最新の情報をもとにした視点で問題に取り組み、高いモチベーションを発揮して周りの従業員への啓発を誘引できれば理想的ですね。
 JALの最高経営責任者(CEO)に就任された稲盛和夫さんの言うように、社員全員がこのように同じ方向を向けば強靱な会社組織が生まれるはずです。
 「パラダイムシフト」と言う言葉があります。スティーブン・R. コヴィー著『7つの習慣--成功には原則があった!』での解説では、パラダイムとは経験のレンズと表現されています。人は自分が経験してきたことをベースに物事を解釈するため、考え方が制限されてしまいます。そんな考えを外に広げ、新たな視点や考えを見いだすことが「パラダイムシフト」です。目からウロコの考え方に気づくこと、と言い換えることができるでしょうか。
 本文では、気づきと共に見えてくる7つの習慣がそれぞれ結びついて解説されますので、以下に概要を紹介します。

第1の習慣:主体性を発揮する
主体性を発揮し、自ら成長していく姿勢が取れる自立した考えを人格主義、反対に主観に縛られてしまう考えを個性主義と定義。
ず自立した自分を築くためには「主体性の発揮」が必要である。

第2の習慣:目的をもってはじめる
「人格主義」の考えを習得後、自分の価値観に基づいた行動を取るために価値観の明確化を行う。それをミッションステートメントと呼ぶ。これがあれば、自己リーダーシップを発揮し、自分をコントロールできるようになる。

第3の習慣:重要事項を優先する
自分の価値観を明確にした上で、プライベートでも仕事でも自分にとって何が重要かを整理し、それを実践する。ワークライフバランスの重要性を説く。

ここまでが「私的成功」を得るための習慣であるが、ここから「公的成功」のための習慣へ。「私的成功なくして公的成功はありえない」。

第4の習慣:WinWinを考える
自立した人格が集まると公的成功への道が開ける。自分も利益を得て、相手も利益を得る。これがWinWinの考え方である。自分の意見を押し通すやり方ではWin-Loseとなり相手に不利益を与える。一方、自分が妥協した場合にはLose-Winとなり相手に利益を与える結果となる。

第5の習慣:理解してから理解される
コミュニケーションのテクニックについて。そのレベルには防衛的→尊敬的→相乗効果的という3段階がある。感情移入して相手の話を聞く。すると相乗効果的なコミュニケーションが可能になり、それがWinWinを導く。

第6の習慣:相乗効果を発揮する
前章より、WinWinへの具体的な手法が相乗効果的なコミュニケーションであった。ここから生み出される結果は大きく飛躍できる可能性を秘めており、1+1=2ではなくその10倍も100倍も大きな成果を得ることが可能になる。

第7の習慣:刃を研ぐ
自分の成長のためには、継続的な努力が必要。これまでの1〜6の習慣をまとめて磨き続けるというものが第7の習慣。

新しいものの考え方、見方に触れ、パラダイムシフトを経験したなら積極的に取り入れて行きたいですね。

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 ディズニーランドを経営する株式会社オリエンタルランドでは、従業員が一定期間に3回遅刻すると解雇を言い渡されると聞きます。それでも、どうしても遅刻を避けられず、出演するショーに間に合わなかった従業員にその上司はこう言ったそうです。「君に会えなかったお客さんがかわいそうだ」と。
 欲しい結果を得ることを優先し、してはいけないことを叱るより、期待していると伝えることがモチベーションを高めることに有効であるとは私も思いますが、このエピソードはまさに経験値外の驚きを感じます。マニュアル以上の接客を提供すると定評のあるオリエンタルランドに学ぶことはまだまだ多そうです。
 さて、ザ・ビートルズではジョージ・ハリスンが遅刻し、レコーディングに間に合わなかったことがありました。後期の彼らに遅刻などの概念があったかは疑問ですが、4枚目のアルバム『ビートルズ・フォー・セール (Beatles For Sale)』の制作時にあっては、まだいけないことだったのでしょう。「4人がそろわず録音されたビートルズ史上最初の曲」とよく言われてしまうのは「エヴリー・リトル・シング (Every Little Thing)」という曲です。
ビートルズによる「目から鱗の驚き」は音楽の中にこそありますね。

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<開発室:クマ>

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